百万年の船(1)
- 作者: ポールアンダースン,Poul Anderson,岡部宏之
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1993/11
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神の祝福か悪魔の呪いか、ある一定の年齢に達すると都市も取らずめったに死ぬこともない、世界中にいる非常に少数の人たちの物語。初めは紀元前1世紀から始まる。
長い間一人で生きねばならず、たとえ結婚したとしても周囲から疑いの目をもたれぬうちに家族から離れ、一箇所に留まり続けることができないからこそ仲間を捜そうとする、中心となる主人公の気持ちは分かるが、それとは異なる生き方をする者たちもいる。せっかく仲間が見つかったのに袂を分かち自ら自死を選んだり、一緒に生きる約束をしながら相手を裏切ってその財産を奪って一人生きることを選んだりする。最後の女性は、後から考えるとその逃亡劇からも分かるように、一人で生きて言う稿とする意識が強かったことは分かったし、女性が一人で生きるためには体を売るしかなかったことから、裏切りは仕方がなかったとしても衝撃的な幕切れだった。
現代に生きててよかった。
2巻は13世紀から始まる。巻末にいつ頃の話か書いてあるのがとっても親切。
ここ三ヶ月で読んでしまった漫画
- 作者: 石井あゆみ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/09/12
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- 作者: 森薫
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
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- 作者: ヨシノサツキ
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2014/09/22
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- 作者: ヨシノサツキ
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2014/09/22
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- 作者: あまやゆうき,吉田史朗
- 出版社/メーカー: 小学館
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- 作者: 波津彬子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2014/10/07
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- 作者: 鈴木央
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/10/17
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- 作者: 幸村誠
- 出版社/メーカー: 講談社
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- 作者: 三宅乱丈
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- 作者: 平野耕太
- 出版社/メーカー: 少年画報社
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死がふたりを分かつまで(24) (ヤングガンガンコミックス)
- 作者: たかしげ宙,DOUBLE-S
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
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- 作者: 浦沢直樹,長崎尚志
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ここ1ヶ月半ほどで読んでしまった本
輝くもの天より墜ち (ハヤカワ文庫 SF テ 3-6) (ハヤカワ文庫SF)
- 作者: ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア,James Tiptree Jr.,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/07/25
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- 作者: 伊藤計劃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/12/08
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どうも理解できない矛盾点が気になったが(矛盾ではないのかもしれないが、作者がもういないので解決のしようがない)、ある種の解放という終わりなのかもしれないが、なんとなく佐藤史生の漫画に似たような読後感。自分だったら解放前も解放後もどちらも生きたくない世界。
- 作者: 伊藤計劃,円城塔
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/08/24
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帯の煽りはフライデーだったとは。これは壮大な、フライデーの物語なのかも知れないと思った。主役は最後の最後で別の世界に行ってしまうのだし。
- 作者: 山田風太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/12/11
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忠臣蔵は基本的なことしか知らなくて、四十七士で知ってるのは数人しかいないので、誰これ、という感じでそれなりに面白かったが、忍者の技ってすごいわ〜。
ラスプーチンが来た
ラスプーチンが来た 山田風太郎明治小説全集 11 ちくま文庫
- 作者: 山田風太郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1997/10/01
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山田風太郎の作品によくあるお姫様をめぐる話だが、「永遠の処女」として生きなければならない(生きる決意をした)少女が周囲の男たちを一目で虜にしてしまう。その周囲の男たちの中には不思議な影響力を持った俗物的なアヤシイ占い師と、彼をもうわまる不思議な力を持ったラスプーチンが。
登場人物のほとんどは実在の人物で、意味不明にチラリと谷崎潤一郎が出てきたり、夏目漱石と正岡子規が現れて、正岡子規が主人公の前でいきなり喀血したり、かと思うと二葉亭四迷が大活躍したりする。実在の人物たちは血の通った人間として話しに絡んできたりウロウロしたりするが、一部の人間が化け物じみた力を持っていたり、違う日本の違う明治の話のようだ。ものすごくよく知った人がリーダビリティを持たせて妖しい魅力を加えたパロディなんだな。
アラブが見た十字軍
- 作者: アミンマアルーフ,Amin Maalouf,牟田口義郎,新川雅子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2001/02/01
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初めてフランクがやってきた時のエルサレムを中心とするシリア地域、バクダッドの政権、エジプトイスラム帝国があまりにもまとまりのない地域であったことに驚く。砂漠、半砂漠地帯なので領域支配というよりも点と点の支配、ある意味「都市国家」をまとめたものがアッバース朝であり、セルジューク朝であるが、シリア地域のことについてはほとんど気にかけていない。カリフとスルタンはすでに傀儡と化し、小アジアからパレスティナにかけてはルーム・スルタン国、アルメニア人諸国、アレッポ王国、ダマスカス王国、と群雄割拠。内部でも兄弟間での殺し合いだの、親子の間での殺し合いだのの状態で、フランクに対抗する集団的な行動ができない。そこからじわじわと実質的な権力を持った複数の都市国家の王による聖戦の呼びかけ、英雄サラディンによるより強力な軍隊によるフランクの追い落とし、彼から始まるアイユーブ朝の動きとフリードリヒ2世、そして強行派のマムルーク朝によって最終的にフランクが追い払われるまでをあくまでアラブ側の視点から描かれている。
ほとんどイスラム側ともいえるフリードリヒ2世は野蛮きわまりなく教養もない人びとの囲まれて大変だったろうなぁ、と思う。そしてサラディンが結構人間らしいところがあった。そして意外なモンゴルとヨーロッパの同盟未遂。
なぜヨーロッパ地域がその後発展し、現在においては先進地域となったのか、そして当時文化的な先進地域であったアラブ地域が衰退の一途をたどり、現在の後進地域となったのかについての考察が非常に面白かった。ヨーロッパは十字軍によって東側の進んだ文化などを取り入れたが、アラブ側は王朝の後継争いがいっこうに止むこと無く、そしてフランクから何も学ばず12世紀前半までにゆっくりと衰退(あるいは退廃)していた状態から結局二度と戻らなかった、という考察。さらに極端なフランクに対する激しい被害意識。これが現在まで続いているとは。まあ、普通、文化の進んだ地域からは積極的に吸収するが、その逆は難しいと思う。そもそもこの紛争の主人公にアラブはおらず、トルコ、アルメニア、クルドがその主人公たちであったのも印象的だ。
クルド人たちが悲願にしていることが国民国家の樹立であることも容易に理解できる。
百鬼夜行抄・23巻、海街diary・6巻・四月になれば彼女は、デストロ246・4巻、BIRDMAN・3巻、妖狐×僕SS・11巻、最遊記RELOAD BLAST・2巻、白暮のクロニクル・3巻、七つの大罪・10巻、シドニアの騎士・13巻、大奥・11巻
- 作者: 今市子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2014/07/08
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海街diary(うみまちダイアリー)6 四月になれば彼女は (フラワーコミックス)
- 作者: 吉田秋生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/07/10
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- 作者: 高橋慶太郎
- 出版社/メーカー: 小学館
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- 作者: 藤原ここあ
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2014/07/22
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最遊記RELOAD BLAST 2 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
- 作者: 峰倉かずや
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- 作者: ゆうきまさみ
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- 作者: 鈴木央
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- 作者: 弐瓶勉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/08/22
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- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 白泉社
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フェルマーの最終定理
- 作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
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積ん読、ノンフィクションの片づけ開始。
一般書として書かれているので、数学の難しい理論や公式は「補遺」として本の最終部に付されているので、そこを無視して読めば350年に渡る数々の数学者の努力と発見が連綿と連ねられているのを流れを止められることなく読み進められる。人間のたゆまない思考の前進と、それによる数学の理論(数論)の発展が、それだけで引き込まれる科学史(数学だが)として成り立っている。作者は数論をよく理解している上に、作家としても素晴らしい才能を持っているようだ。
フェルマーの最終定理の証明のために、日本人の二人の数学者が多大な影響を与えていたことは知らなかった。そのうちの一人は非業の死を遂げるが、自ら死を選ばなければひょっとしたら自らが手がけ始めた予想によって、4世紀にわたってフェルマーに踊らされた数学者たちの悲願が達成されたのを見れたのかも知れないと思うと、残念。
しかし、フェルマーの「ここには書く余裕がないから証明できたけど書かないよ」というのは、本当のことなのか、フェルマーの得意の意地悪なのか、よく分からない。とりあえず意地悪でひどい人間であることは分かった。それでも頭はものすごく良いんだからなぁ。