ここ1ヶ月半ほどで読んでしまった本

再読。オチは覚えていたが、コーリーが謎の攻撃を受けるのが物語の中程で、その後ひどい事件が起きることは完全に覚えていなかった。老いに対するティプトリーの意識が大きく影響している話であることは分かっていたが、今回読んでみたら老いとそれによる死がティプトリーにとっては解放を意味しているような、死に対して一方的にネガティブではないように感じた。本人のその後の死に方を考えると何とも言えないが。


ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

再読。なんとなくしか覚えていなかったが、読んでいく内にああそうだったな、と。アイルランドの古代の名前がなんとなく多いな。違うかもしれないが。確実なのはディアンケヒトだけだが。
どうも理解できない矛盾点が気になったが(矛盾ではないのかもしれないが、作者がもういないので解決のしようがない)、ある種の解放という終わりなのかもしれないが、なんとなく佐藤史生の漫画に似たような読後感。自分だったら解放前も解放後もどちらも生きたくない世界。


屍者の帝国

屍者の帝国

ハードカバーの本を持ち歩くのは苦痛であった。どこまでが伊藤計劃のプロットなのだろうか。実在の人物が入り交じる、「もしもこういう世界であったならば19世紀末の世界はどうであったのか」というのが世界観。不思議なのが、登場人物たちが自分たちが死んだ後のことをそれほど気にしていないということ。自分たちも死んだら屍者にされる可能性が大きいのに。
帯の煽りはフライデーだったとは。これは壮大な、フライデーの物語なのかも知れないと思った。主役は最後の最後で別の世界に行ってしまうのだし。


忍法忠臣蔵 山田風太郎忍法帖(2) (講談社文庫)

忍法忠臣蔵 山田風太郎忍法帖(2) (講談社文庫)

姫が生き残らない忍法帳。姫的な役割を担ったと思われる女二人の死に方が激しい。生き残るのは女に裏切られ、女と忠義を嫌う伊賀忍者のみ。甲賀忍者の男対女の対決でくのいちは全員死んだ。忍者が死ぬのはお約束だが。
忠臣蔵は基本的なことしか知らなくて、四十七士で知ってるのは数人しかいないので、誰これ、という感じでそれなりに面白かったが、忍者の技ってすごいわ〜。