ノルマン人以前のアイルランド第1章

Ireland Before the Normans (History of Ireland)

Ireland Before the Normans (History of Ireland)

Irelnad in the ninth century - political division
Munster王からはじめるところがÓ Corráin。その次がConnacht、その次になってUí Néill、最後にLeinster。普通はUí Néillからはじめることが多いのだが。
それぞれの地域で普遍的に権力を維持し続ける一族はおらず、8世紀に向かっていくつか有力な王輩出家系(家門)がはっきりしてくるが、それも9世紀から12世紀まで見続けると入れ替わりが激しい。

これはアイルランド特有、としかいいようがない。しょうがない。王権の意味がカロリングとは明らかに違う。だが、アイルランドの「王」をカロリングの「王」と同じ、とした場合において言えるだけで、大陸のその下の家門の状態を見れば、実はあまり特有ではないと思われる。ríという語が表す意味が、rexとは別物なのだ。逆に言えば、アイルランドにはカロリング的王権が占めるべき政治的空間は空であると。

何この「信長の野望」というか「戦国BASARA」というかコーエイ状態、というのが初期中世のアイルランドの状態。おそらく12世紀以降もこの状態は西部では変わらないはず。
初期アイルランドは戦国時代と一緒だぁ、と無理に流行に乗せて「歴女」と名乗ってみる。好きな武将はぁ、キャシェル王のCathal mac Finguineかなぁ、それまで交戦してなかったUí Néillに喧嘩売って更に状況を混沌とさせた人だしぃ、アイルランド人だからきっと黒髪で青い目ねっ、という妄想もできないな。中世のヨーロッパな決定的に不潔な世界だ。無理。


新装版、出るよ、出るよ、といわれ続けてうん年。ひょっとしたら新装版は出ないかもしれないアイルランドだから十分あり得る。
Ó Corráinが死ぬまでに出るかも、という気分で待つしかないな。
「まだ出版されてません」
Fourcourtsさんには何度煮え湯を飲まされたことか。イイ出版社なんだけどね、注文すると1週間ぐらいで届くし(しかも手書きの宛名書きで)。