輝くもの天より

行きの飛行機で後半半分読了。
ティプトリーにしては非常に読みやすかった。前半の色鮮やかな情景の描写、エキゾチックで神秘的な異星人たち、そして謎に満ちた観光客と人付きのするホストたち。
後半に突然発生する考えてもいなかった事件と過去の事実、そして前半から伏線の張られた事件の続発、そして主人公の一人である女性の衝撃の「病状」とその終焉。


作者が女性であったことを知っている所以だからかもしれないが、これはまさしく女性的な作品だと思った。という言い方も良くないな、ある意味ロマンティックでそれでいてもの悲しい物語。そして作者を彷彿とさせる主人公のコーリーの終わり方。作者自身の死亡理由を知っていると更に読後感のもの悲しさが募る。最後の頃はちょっと涙ぐんだりするようなSFにしてミステリー。