贈与論

贈与論 新装版

贈与論 新装版

やっと読み終わった。これが構造主義か。
文化人類学と思って読んでいたが社会学なのであった。特に最初の未開社会における「ポトラッチ」や「クラ」や「マナ」は読み終わったあとでも微妙にしか理解できていない自分が悲しい。
自分の研究に使えるかどうかはとも書くとして、示唆されたことは多い。特に古アイルランドでの契約時における保証に関してや、歓待の慣習についてハアトでつらつら考えられることも多かろう。ただし、自分の頭の限界として「モースによれば」などとして使えることは無理であろうが。
それにしてもあまり読んだことはないがフランス語の日本語訳されたもののなんと読みづらいことよ。そしてこれは研究書にはありがちだが、原注と訳注が並列され、しかもこの本では前者は章末、後者は巻末にあることで、もともと付いている紐のしおりの他に紙のしおりが二つ必要な上に、場合によっては更にもう一つ必要となって、前を読みつつ少し後ろを読みなおかつ本の末尾の方を繰るという、いささか煩雑な読み方に成らざるを得ないのはしょうがないんだろうか。やはり脚注は神だな。
モースがデュルケームの甥ということを知ってビビった。
そして最近(というか明日か)、文庫版が出ることを知ってちょっとショック。
贈与論 (ちくま学芸文庫)

贈与論 (ちくま学芸文庫)