初期中世史の扱い

本屋で散財するつもりが、2冊しか買わなかった。アイルランド中世史関係の新しい本が1冊。それから後で読もうと思って買った小説が1冊。これでも55ユーロ超えるのだから、専門書の価格の高いこと。


ダブリンはトリニティ・カレッジ(アイルランドで一番古い、由緒ある、おそらく一番レベルの高い大学)の近くには本屋が3軒ある。その一つ、Hodges Figgisはアイルランド初期中世史及び、古アイルランド語を含むケルト系言語(というかだいたいあるのウェールズ語関係)の専門書が最も豊富な本屋で、ダブリンでの書籍購入はほぼここに限定。その真向かいにはイギリスの本屋Waterstone'sがある。が、ここのアイルランド史コーナーは、Ancient Irelandの次が、Sixteenth Centuryとなる。ここの間にはなにやら「越えられない壁」がある模様。トリニティ・カレッジに最も近いEasonに至っては、Celtとか、Druidとかいった本の次はほとんど現代史である。ここにはかつてFred Hanna'sという本屋があり、専門書が結構あったのだが、いつの間にやらEasonに吸収合併されていた。残念である。ただしこの本屋の地階は文房具を扱っているコーナーがあるので、文房具を買うための本屋と化している。
久しぶりに街の本屋に出たので、「ヨーロッパ中世史」も見てやろう、と、Waterstone'sの歴史コーナーへ向かう。Hodges Figgisの歴史コーナーは何度行ってもダメダメなので、今回は寄らなかった。しかしどちらも似たようなものであった。各国史では、イギリスはローマン・ブリテン系の本がやたらと並んだ後は、リチャード獅子心王へ突入。後は延々王様の名前の本が続く。フランス史ではシャルルマーニュという名の本が1冊ほどならび、その次は近世へ。ドイツ史は初期中世史無し。イタリア史は○○・メディチが大量に並ぶ。ヨーロッパ中世史のコーナーは、第○次十字軍関係がずらずら。つまり、初期中世史は無いのだ。日本の大手の本屋よりよっぽど悲惨。アイルランドの中世史の学生は図書館と、amazonしか使いようがないのか。首都なのに。


ま、そんなわけで。本日買った小説は、前に気になっていた本の1冊目。http://d.hatena.ne.jp/kimuco/20061016/1161026945
しかし読み出せるのはいつか? その前に勉強しろよ、と。