現場の人間が一番大変

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061025-00000118-mai-soci
<単位不足>10県65校、生徒数は1万2000人に


 富山県立高岡南高校で発覚した履修単位不足問題で、新たに青森、岩手、山形、福島、石川、福井、愛媛、広島、栃木の各県の公私立高校でも必修科目を履修せず同様の単位不足になっていることが分かった。単位不足はこれで10県65校、生徒数は約1万2000人に上った。中には、履修を装った報告書を教育委員会に提出する「架空履修」もあった。各県教委や学校は単位不足の3年生が卒業できなくなるおそれもあるとして、3年生への補習授業を検討するなど対応に追われ、文部科学省も全国調査を行う。
 単位不足が25日午後11時現在までに判明したのは▽岩手30校▽山形12校▽福島10校▽福井5校▽青森、栃木各2校▽石川、愛媛、広島、富山各1校の計65校。
 岩手県教委によると、発覚した県立盛岡一高側は「必修科目の授業時間数が足りず、教科書の全範囲が終わらなかった。このため、受験科目に絞って授業をした」と説明したという。県教委に提出するカリキュラムや指導要録には必修科目を履修していたように虚偽の記載をしていたという。
 愛媛県教委によると、県立今治東高は、3年生149人全員が世界史、日本史、地理のうち1科目しか履修していなかった。同校が前年度末に県教委に提出した「教育課程表」では、必修の世界史ともう1科目を履修する内容のカリキュラムを記載。同校は「生徒の強い希望があったため」と説明しているという。
 単位不足の生徒がいる学校は、冬休みなどを利用して補習授業を行い、足りない時数を補うとみられる。
 文科省教育課程課は「必履修教科・科目が履修されていると思っていた。ありえない話だ。学習指導要領を守らなければ、理科でも同様の問題が起きる可能性もある」と話している。
 こうした事態について、大手予備校の関係者は「週5日制になり授業時間数が減る中で、何とか大学受験の水準に合わせて、効率的な授業の進め方を各学校で行っている。高校での土曜日の午前中の授業がなくなった影響は大きい」と指摘。「現場の立場に立てば『苦肉の策』だったのだろう。現行の教育課程の内容と受験の現状との食い違いから生まれた問題」と分析している。


時間のやりくりをして冬休みも使って授業、先生も生徒も大変。予備校や塾に通っている生徒は更に冬期講習、入試直前講習、みたいのも受けるわけだろうし。入試で燃え尽きちゃいそう。
私の高校時代は、公立でも土曜は半ドン。私は中高エレベータの私立に通っていたが、日本史・世界史どちらも高校だけでやってなかった。しかも世界史は特に現代史は入試の時期にかぶるあたりにやるわけだから、先生が特別に夏休みに時間を作ってくれて勉強した記憶がある。でもその直前はローマ帝国の崩壊な訳で、いきなり現代史だと繋がらなかったことも多い。
高校は大学受験のための学校ではない、というのはしょせん建前で、レベルの高い高校であればあるほど、大学受験を意識して授業を進めなければならない現状で、建前を残したまま(だと思われる)学習指導要領で授業をするには厳しいよな。


それに対する首相のコメント。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061025-00000182-jij-pol

安倍晋三首相は25日夜、富山や岩手などの県立高校で必修科目を履修させていなかった問題について「驚いた。こういうことが起こるとは全く考えられなかった。子どもたちの将来に何か支障を来すことがないように対応してもらいたい」と述べ、生徒への配慮を最優先に対応する考えを示した。
 その上で、首相は「こういうことがないように、各学校は緊張感を持って当たってもらいたい」と語った。首相官邸で記者団の質問に答えた。


まあ、小学校から大学までエスカレータだったからねぇ。分からなかったのかもねぇ。
「生徒への配慮を最優先」なら、やっぱり受験校だったら受験に絞るしかないわけで、上記の学校の対応はまさにこれをやった、と見ることもできるよな。


先生も生徒も大変。やはりこれにつきるかと。