食後の妄想

食後すぐにお勉強すると体に悪い。なぜなら、私はかなり猫背であり、論文読みや語学をやっているとその猫背の角度がますます鋭角になるのである。で、妄想してみる。


お金がないのは院生には当たり前の話である。故に私がお金がないのももっともなことで、しかも本来なら若手研究者として働き出す様な年齢にもかかわらず、ここに来るまでにぐるぐると遠回りもしてきたため、未だに学生であり、そのためにこの先に輝かしい未来が開ける可能性は限りなく0に近い。その上ただいま留学中であり、最終的には返さなければならない旧育英会奨学金はほぼすべてここでの生活に費やされる。ああ、政府奨学金に落ちたのは、相当ながら痛い話である。でも原因も分からないし、だいたい選択の仕方も分からないし、反省のしようもないのでこれはまあ宝くじの様なもの、と諦めるしかない。ともかくだ、この先、近い未来も遠い未来も、お金がどばっと入ってくる可能性はほとんど無く、お金がらみの妄想が暴走するのも致し方ないことである、と、ここまでが本論に入る前の前書きであることは、言うまでもない。


私にはなんの特技もないが、本を読むことはわりと好きである(といっても本当の本好きの友人を見ていると、その読書量は比ぶべくもないのだが)。そのために、お金を稼ぐ方法=なんか本あたりで大当たり(ニャハッ)という妄想を浮かべる。そこで考えた、今書いたら(この際、文才があるとかないとかは考えないのだ。単なる妄想であり、妄想に現実を引き入れるとがっくり来てさらにやる気がなくなるからだ!)売れるであろう本について。
その前にまず条件を挙げねばならない。まず、1、日本語であること 2、発表の場が多いこと である。つまりまとめると、日本語でオッケーで、しかも「○○新人賞第○回」のような投稿形式、ということになると、ライノベなのか、ライノベ
さらに売れる、というからには今売れ筋のものを検討しなければならない。しかしながら現在日本におらず、しかも所謂売れ筋の本はほとんど買わず、ひたすら自分の趣味に合うものだけを追求してきたことにより、今の女子大生に「全部知りません」と言われる様な漫画ばっかり読んじゃう様な人間なので、検討などとはおこがましい程度のことしかできない。そこで簡単に、「今バカ売れ=『ダ・ヴィンチ・コード』」と極端な図式で語ってしまうこととする。
以上の2点、すなわちライノベであり、『ダ・ヴィンチ・コード』であることを鑑みて、これなら売れるかも、という本の内容を考えてみた。

  1. 中世キリスト教ネタであること
  2. 中世ヨーロッパの闇の部分をえぐる、という姿勢であること
  3. ある程度の部分までは史実に則っていること
  4. 二次ものがでる様な萌え要素が入っていること
  5. 複数の男性同士のカップリングが可能であるぐらいの登場人物であること
  6. シリーズ化される可能性もふまえ(こういうことは大きく出ないと)世界観は結構大きく、しっかり作っておくこと

そこから帰結される物語の中身とは・・・
修道院?! 美形でお金持ちのぼんぼんが集まる、世俗化された、都会のすぐそばに立っていて、それでいて由緒ある修道院が舞台だ! そんで「キリストの血脈」ネタと「イルミナティ」ネタはすでにやられているので、やはり、異端をからめてだねぇ、異端審問官とか出してだねぇ・・・。異端と修道院、なんか無理あるな。と、所詮妄想に過ぎないのであっという間に手詰まりになるのであった。そうこう言っている内に腹もこなれてきたため、勉強に復活するのである。
終わり。


補記:異端審問官が出てきた修道院ものだと、あの名作『薔薇の名前』があるではないか、バカ者め! そういえば、『エロイカ』の漫画家青池保子の『修道士ファルコ』も修道院ものだが、あれは二次とかあるのだろうか。