百万年の船(3)、されど罪人は竜と踊る

百万年の船〈3〉 (ハヤカワ文庫SF)

百万年の船〈3〉 (ハヤカワ文庫SF)

後半にはいるとようやっとSFになる。すべての人びとが不老にしてほとんど不死の状態の恩恵に与るようになった世界で、もともとの不死人8人はその世界に違和感を感じるようになり、宇宙船で違う新しい地球を求めて旅立つ。
宇宙船の中での濃密な関係なることによる軋轢やら何やらでようやく知的生物のいるある世界でとりあえずの暮らしをするが…。
終わりがいまいちよく分からない。タイトルと係わり合いになっていることだけが分かる。どうやら私は他の本の内容とごっちゃになっていたようだ。作者は一緒だが、私が覚えていたと思っていた話は『タウ・ゼロ』だったのだ。衝撃的。そして『百万年の船』の終わり方はまったく覚えていなかったので、ある意味衝撃的というかSF的な読者放りっぱなしな終わり方だったのだ。ちょっと残念。


されど罪人は竜と踊る 1 ~Dances with the Dragons~ (ガガガ文庫)

されど罪人は竜と踊る 1 ~Dances with the Dragons~ (ガガガ文庫)

これは先月読み終わっていたのに書くのを忘れていたのだが、春に読んだものの再読なのでかなり覚えておった。なんとなく作り込まれた中二病的作品を読んでみたかっただけなのだ。
日常生活では冗談ではないほどの仲の悪さと罵詈雑言を送り合う二人が、戦闘中は非常によくできたコンビネーションを発揮する、というのも中二的でよろしい感じだ。化学(一部物理も。ただし、物理はちょっと作り込みの甘い使い方)的なガゼットをまくり立てるところも文系にとってはかなり魅力的であった。