砂糖の世界史

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)

「世界商品」としての砂糖の生産と消費に関わる、奴隷貿易プランテーションとから無植民地政策から、イギリスの台頭と産業革命、コーヒーハウスとその文化、そして紅茶、コーヒー、チョコレートと言うこれまた別の「世界商品」、そして「近代世界システム」論まで、砂糖一つでこれだけの話ができる者なのだな、と感心しきり。
なぜイギリス(とその植民地アイルランド)では紅茶で、なぜそれ以外のヨーロッパ地域ではコーヒーなのか、はいまいちよく分からなかったが、アイルランドが紅茶文化なのは(その背景には被支配地域としての哀愁があるとしても)、私としては喜ばしい。