日本幻想文学史

日本幻想文学史 (平凡社ライブラリー す 9-1)

日本幻想文学史 (平凡社ライブラリー す 9-1)

幻想文学とは何か、というのが問題。人ならざるもの、人でありながら不思議な力を持ったもの、そういうものが主人公の文学かな、と思っていたが、それほど簡単なものでもなかった。
著者の最大の興味は近現代であることはとてもよく分かった。個人的には古代、中世に興味があり、近世(江戸)に入ったところ(本の半ばほど)でちょっと残念に思ったが、読み通してみるといろいろとこれまでまったく興味を持ってこなくて残念に思う作家が多いことを知って、非常に示唆にとむ本だった。
思い返してみれば、「ファンタジー」から果てはSFまでの私の読書傾向は、中高時代の澁澤龍彦なんだということに改めて思い出さしめた。


読み終わって、能と安部公房円地文子に興味を持った。