酒呑童子の誕生

源頼光を「みなもとのらいこう」と読んだ場合、らいこう=雷公、というのはちょっと驚愕した。
なぜ源頼光酒呑童子を倒さなければならないのか、そもそも酒呑童子とはなんであったのか、というのを、話の成立した鎌倉末期から室町時代の世相、思想、儀礼、信仰、文化から掘り起こしたもの。もともと都から排外されるべき疫病神(対天皇、として)であり、中国の文学の影響を取り入れ(疫病=天然痘=赤ら顔=猿=白猿伝(聖天大聖→孫悟空))、大江山という鬼のすみかの世界観(竜宮=仙界=冥界→鬼=竜王)、より古い日本の文学の影響(聖徳太子の伝説は非常に面白い)、室町時代の実在の事件の説話への展開とその影響、そして四天王誕生の意味、というか渡辺綱が四天王内でもっとも活躍する理由など、非常に分かりやすい上に非常に興味深かった。
酒呑童子桃との時が酒天童子だったとか、「音」の説話への影響の大きさに非常に驚きを感じた。


日本の中世楽しい。