後発白内障とアグレーザー

違和感を覚えたのは今年の4月頃から。バイト先で使っていた辞書が読めなくなり、仕方なく電子辞書を使うようになった頃。後発白内障を発症していたことはその一年ぐらい前から言われていたが、あまり深刻に考えず眼鏡の度が合わないだけなのかと思っていた。
問題が生じたのは8月の半ば以降。なんとか論文を書いてはいたが、A4サイズのモニターが付いたノーパソで、MSWordのサイズが170%になっていた。モニターの上に虫眼鏡をかざす状態に少しショックを受けた。9月になってからは未手術の方の目の白内障もかなり進んでいたので、本を読むのが苦痛になってきた。170%でもよく見えなかったが、これ以上%を上げるとスクロールしないと一文読めない状態になり、不便きわまりないのでとりあえず論文は放っておくことにした。この頃にはすでにコンタクトレンズは使い物にならず、遠くを見る用と近くを見る用の眼鏡を二本併用する状態だが、次第に近くを見る用の眼鏡も使い物にならなくなり、バイト先では授業中は裸眼で何とかしたのだが、すでに自分が書いているものがよく見えない状態だった。
10月に入ってからは読書は不可能となり、唯一できていた漫画を読むのも苦痛の域に入っていった。テレビはぼんやりとしか見えないので、字幕が出る系のものは字幕が分からない状態でボーッと見ているにすぎなかった。


後発白内障とは、病院でもらったパンフレットによれば、

白内障手術の際には後嚢という水晶体の袋を残します。白内障手術後にこの後嚢が混濁し、視力が低下することがあります。

矯正視力で0.4以上上がらなくなったのはこのせい(未手術の方の視力も同様だった。免許の書き換えが今年でなくて本当によかった)。
この状態の改善のためにアグレーザーという特殊なレーザーを使って「混濁の中心を切開する」という治療を受ける。


治療自身は大したことではなかった(もっとも白内障手術自体も大したことはなかった、受ける側としては)。目薬を数種類(眼圧を上げないようにする、とか麻酔、とか)をさして、通常の目の検査で使うような、顎を載せて額をくっつける機械的なものに顔をセッティング(東部が動かないように後頭部を拘束されるが)、眼球上に時計修理や宝石の鑑定をする時のような拡大レンズの小さいもの(のように感じたがよく分からない。白内障手術前の検診でも変なものをいろいろ眼球上にセットされた)を載せるだけ。後はかちかち音はするがとくに光も感じず、赤い背景にモヤモヤして自分の目の何かとその中に見える赤い点二つをじっと見ているだけで終了。その間5分程度。なぜか治療を受けていない目の方が痛かった(瞬きはできたのに)。
副作用で飛蚊症が出るかもしれない、といわれたが、目の端に見える黒いひも状のものはこれなのかもしれない。とくに問題はないが。


術後はこんなに見えていたのか、と感激。片眼とはいえかなり見える状態になってきたので今日から通常にいろいろできる、選択肢は論文作業だけなのだが。