戦闘美少女の精神分析

戦闘美少女の精神分析 (ちくま文庫)

戦闘美少女の精神分析 (ちくま文庫)

はじめのころのおたく論や海外におけるおたく青年たちのおたく・アニメ論、「戦闘美少女」アニメの歴史や類型分析は面白かったが、最後の最後がね。おそらくここが最も「精神分析」だったのだろうが、おたく男性にのみ焦点が当てられていて、しょせん他人の「萌え」は理解できない上に、ものすごく抽象的で精神分析・精神医学・現代思想に関する知識不足、教養不足のみには理解に難かった。
なんだ、最終的にはセクシュアリティとそれに対する欲望が主軸か、と思った瞬間の脱力が何とも。戦闘美少女ニアと楽とされる女性側の視点が皆無であった点も残念。はじめの「おたく=男性」のところで気が付くべきだったのだがね。
日本特殊論を挙げる際の対象物がハリウッド及びアメコミ中心、というのも「特殊論」たりえる理論の展開としてはいかがなものか、と思えた。


見えない目で頑張って読むほどでもなかったかも。