日本語文法の謎を解く、ハチワンダイバー・20、凶鳥の如き忌むもの

咳、くしゃみ、鼻水止まらず何もしたくなかったので読書とうたた寝三昧。


日本語文法の謎を解く―「ある」日本語と「する」英語 (ちくま新書)

日本語文法の謎を解く―「ある」日本語と「する」英語 (ちくま新書)

日本語の動詞では「ある」という、人間には何ともし難い自然の状態を表す動詞が多用され、英語などのインドヨーロッパ系の言語では「する」という、人間が行為者になる人間中心的な動詞が多用され、特に日本語では「ある」が「する」よりも上位におかれている、というお話。
日本語を外国人に教える、という実地に基づいた話は良かったのだが、前半部分の「日本語には主語はない(省略される、ではない)」というあたりの話がしつこかった。同じ事を何度も何度も何度も繰り返される感じ。英語に関してのちょっとした話も少々多すぎたきらい。比較した方がいいのは分かるが個人的には細かすぎる感じがした。一般書でなんとなく手に取った人に五文型、はイヤな感じがしないのかな、と余計な心配をしたが、後半は面白く読めた。
非常に説得力はあったのだが、言語学にはとんと疎いもので、例の挙げ方が恣意的でないのかどうかの判断が付かないが、そのあたりを疑ってしまう読み方が常となっている状態なので、多少気になるところもあり。


ハチワンダイバー 20 (ヤングジャンプコミックス)

ハチワンダイバー 20 (ヤングジャンプコミックス)

鬼将会による世界征服?
この巻はメイド・そよのターン。タイトルホルダーのプロを負かすほどの嫌らしい将棋をうち、しかもそよの将棋にその打ち方に浸食し、母親を「人質」にとってるっぽい谷生から、死者からの魂の注入で起きた菅田(そのシーンのみの主人公)は受け師さんを救えるのか、以下次号、みたいな。
父親違いの妹はエアマスターにも出てきたが、力の違いが今回は妹>姉、になってる。


凶鳥の如き忌むもの (講談社ノベルス)

凶鳥の如き忌むもの (講談社ノベルス)

拝殿しかない無人島で行われる、巫女による秘儀。過去2回の秘儀は失敗、一人目はおそろしい、おそろしい、といいつついつの間にか亡くなり、二人目は密室状態の拝殿から姿が消え、さらに儀式の立会人7人は1人を残してすべて消えてしまった、そんな事件が起こっていた因習残る瀬戸内の港町(時代は戦後10年から20年ぐらい)。そしてその一人目の巫女の曾孫にして二人目の巫女の娘、そして前回たった1人生き残った巫女が18年ぶりに行う秘儀で巫女が再び拝殿から姿が消えた! 鳥女の呪いなのか、鳥人の儀とはなんなのか、という刀城言耶シリーズの、これは多分二つ目。刀城先生の相変わらずの謎解きのちゃぶ台ひっくり返しと、終わり方のすっきりしない、あ、あれ? あれはどうなった? 的な感じが怖い。
シリーズの3冊目になると、トリックとか背景とか理由とか全然分からないのに犯人の目星だけはつく、そしてトリックがなんというか諸星大二郎。読み終わって一人位浴室に向かう瞬間がちょっと怖かった。止めてくれ。
ただ、トリックの怖さで言ったら『厭魅の如き憑くもの』の方が上であったし、犯人の意外性では『首無の如き祟るもの』の方が上であったな。鳥葬(ネタバレ)という単語がチベットの話でまったく出てこなかったからこその予想の範囲内であったのは残念。