中世の光と影(1)

今月はほぼ毎日バイト行っていたので出勤のお伴の読了が速い。

中世の光と影 上 (講談社学術文庫 205)

中世の光と影 上 (講談社学術文庫 205)

「中世」としか書いてなくてそれがヨーロッパもの、という本は珍しいよな。
言わずもがなの古典。今更古典。温故知新とか言ってらんない。さすがに30年以上前のうえ、上巻はノルマンの大移動までの中世初期なので「おお、古典」と思われる部分もあったがそれでも「へー」と思うくだりも多い。東ローマとイスラムの関係(イスラムの発展も含む)と聖像破壊運動の繋がりをあんな少ないページ数で簡潔に書かれて、泣いた。分かりやすく饒舌にならず、は難しい技術だ。
著書の目的は「ヨーロッパの誕生」であり、上巻で漸くその萌芽が、としているところがさすがとしか。シャルルマーニュ=ヨーロッパ、としないのだ。なるほど。
下巻以降はほとんど素人状態の時代なので「へー」の嵐なんだろうな。(しかしなんで一冊で出してないのか分からない。初期までの人と後期以降の人を分ける必要性ってあるのか、一般書において。)