キリストのクローン・新生(上)

キリストのクローン/新生 上 (創元推理文庫)

キリストのクローン/新生 上 (創元推理文庫)

「新生」という言葉はなんか怖い、ドロッとした質感のエーリアン的生物が腹を食い破って出てくるみたいな感じ。
タイトルがネタバレ、と一瞬思ったが問題ない。初めの70ページぐらいで本自身がネタバレ。そもそも原書がThe Chrsit Clone Trilogyなのだから。第一冊目のもともとのタイトルはIn His Image。創世記第1章27節から。神は人間を彼の似姿に作った云々、のところからだから日本語に訳す場合はそのまま持って来れなかったのだろう、しょうがない。でも「新生」はなんか、いやぁー!
著者は初めのページに猛烈クリスチャンの皆さんにいろいろエクスキューズをしているが、アメリカ人なのかな、この人。多分ヨーロッパ人ならそんなもの書かなそうだし、ヨーロッパ人ならほとんど気にせず「キリストのクローン、なんぞそれ、おもろい」で通しそうだ。
クローンの少年は聡明で思いやりのあるとっても良い子。その名も「クリストファー・グッドマン」。洒落が効きすぎ。少年はなんだか記憶も一部持ち合わせているようで寝言で「エリ・エリ・レマサバクタニ」とか言っちゃう天然っ子。
とりあえず第1部のしかも前半なので感想はあって無しが如くなのだが、とりあえずものすごく展開が速い。あっという間に数ヶ月どころか数年過ぎてしまう。嘆きの壁は爆破されるし岩のドームも爆破されるしバタバタ人が死にまくるし。イスラエルアラブ諸国と戦争を始めて気が付くとなぜかロシアが占領している。
そしてトンデモ設定が。伏線なのか読者を引き入れるための小ネタなのか分からない。この設定を述べた人死んでるし。
キリストは、この世界を監視するために来た宇宙人
とか、
聖櫃(アーク)の中は、ドラえもんの四次元ポケットと同じ
だからトリノの聖骸布は中世に作られたって言う結果が出ちゃう!とか。
まあ下巻のお楽しみ、というかこのあとまだ翻訳出てないんだが原書に走ってしまうか待つかどうかが問題。中古だと文庫二冊分と大して値段が違わないのよねん。
どうでもいいけどアメリカ人ってもの知らずなのね。