首無の如き祟るもの

首無の如き祟るもの (講談社文庫)

首無の如き祟るもの (講談社文庫)

流浪の(上下ジーンズというかっこわるいが顔は良いらしい)幻想小説家、刀城言耶シリーズ第2作目。でも話の内容からシリーズの第1作目『厭魅の如き憑くもの』より少し前のようだ。刀城言耶がもともと華族の家柄で、しかもお父さんが探偵とは知らなかった。
舞台は戦前戦中戦後ちょっと後ぐらいの時代で、場所は東京多摩西部の架空の村。横溝正史風舞台設定。首無さまという祟り神に守られた旧家で起こった首無し殺人事件、しかも多重密室、謎めいた旧家の人びと、一体何が、的なミステリー部分はそれほど怖くなかった。最後の2章が怖かった。なんだあの「おや、誰か来たようだ」は。しかもしかも〜〜〜!
前作の方が終わり方は怖かった。そういえばあれだけ謎が解けてないよ、と思ったところが。今回はそれほど怖くはなかったがやはり前作と同じ叙述ミステリーなんだね、おかしいな、と思ったところは一箇所しか気が付かなかったけど。
読み終わって一番最初のページを見たら、そこから叙述によりミスリードが行われていたとは思わなかったよ…
ヨキ坊の一家斬殺(心中じゃ無さそう)の前日来た人は一体誰…? の答えはなかったがなんとなく想像付いたぞ。でもなんでなんだろうか。これも安全策?