ヴィークルエンド

ヴィークルエンド (電撃文庫)

ヴィークルエンド (電撃文庫)

紫色のクオリア』よりラノベラノベしてない感じ(個人的なラノベの設定は何がなんでも「学園ラブコメ」が入っていなければならないイメージ)。つまり学園ラブコメ度がものすごく少ない本作。
共感覚障害」(例えば視覚をその他の感覚、聴覚とか臭覚とかで捉えてしまったりする障害)をある時から生まれてくる子供はすべて持って誕生する多分今よりちょっと未来な世界、そのせいで感情が激しやすいか感情がある一定以上生まれないかという問題を抱えた子供たちが、「サプリ」というおそらく現在の「麻薬」的なものを採らないと「健康な生活」を送れなくなっている、という設定で、その薬を利用し活その「障害」を十全に生かして、「自らの体をまるでモビルスーツのように動かす」ことによって反社会的レースに萌える少年少女たち、という話。
自分が自分のまま、特にこれといって特徴的な理由もなく「障害」とするのもそれがない大人の判断であってそれはそのまま受け入れるべきものなんだ、という最後のオチはある意味ジュブナイルではある、が個人的には予定調和過ぎてちょっとおとなしめの終わり方だなぁ、という印象だった。