中世歴史人類学試論

中世歴史人類学試論―身体・祭儀・夢幻・時間

中世歴史人類学試論―身体・祭儀・夢幻・時間

気がついたこと。

  • 12世紀、13世紀は決定的な転換期のように見えるが、その実それ以前の、古代からの「文化」の層が厚くその下に存在すること。
  • 言葉の問題が大きいと言うこと。史料を使ってこその歴史学であるから当然ではあるが、その言葉に対する対応の仕方が大きくその研究に影響すること。そしてこの態度は中世初期ではどれほどの重要性があるかは実はよく分からないこと。可能であることがどうかすらいまいち分からない。
  • 歴史学における人類学の使い道は私にはかなり無理そうな、非常にデリケートに扱われるべき問題であること。非常に魅力的であることは否めないけれども、だからこそちゃんとした距離感を持たねばならないし、距離感を持つためにはしっかりとした知識と思想と思考とができていないと問題にならない。
  • それぞれの短い章それだけで博論書けそうじゃねーかチクショー、という博覧強記。こういう全体史を眺める人には常々感じられるがもうなんと言っていいかね凹むよね。