時間封鎖・下

で、帰ってきて残り半分を一気に読んでしまった、なんというダメ人間。

時間封鎖〈下〉 (創元SF文庫)

時間封鎖〈下〉 (創元SF文庫)

相変わらずのスピード感、そして人間ドラマのエンターテイメント。何ものが、なんのために、どのように、そしてその後どのようにする気があったのか、という、地球が宇宙の時間軸から外す黒い膜で覆われたという異常な事態のそもそもの始まりに対する答えも完璧に用意され、しかも最後の最後ではなく最後の少し前にすべて解答を出してしまう、という点ももやもやせずに一気に読んでしまった原因。最後の部分は明らかに人間たちの物語であり、SFがどうの、という話ではない。それでも謎の解明はサイエンス的であり、よい意味でちゃんとしたSFでもある。
人間も含め宇宙に存在するものにとっては時間を超越した形での宇宙航行は不可能である、というSFとしてはそれはそれでつまらん、という前提が苑もとにあっての設定であったことも、状況が荒唐無稽であるにもかかわらず納得がいった。それはそれでものすごく残念ではあるがね。