エンディミオン・下と中世ヨーロッパの生活

季節の変わり目は、特に張るに移行するときは調子が悪くなるのだが、頭痛と腹痛と吐き気が波状攻撃は止めて欲しい。その状態の時にすることが本を読むことっていう自分もおわっとる。


エンディミオン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

エンディミオン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

ロード・ムービーな流れはそのまま。早い展開、ドキドキワクワクな逃げ手と追っ手。
最後の最後にどうもどうやら予想と違う展開になりそうになったところで終わってしまうのは『ハイペリオン』と一緒。
ややもすると中世的な部分と超未来(千年後は超未来ではないんだろうか)的な部分が混ざり合って空恐ろしくもする歪んでしまったカトリック教会による神聖政治にとって都合が悪い、「救世主」を排斥するための物語だと思っていたら、教会自体、というよりも二百数十年生きている教皇にはその背後に彼らが否定したはずの究極体になる寸前の人工知能意識体がいるようであり、「救世主」をその運命に動かしているのはさらにその後ろにあるメタななにか。そして明らかに人ではない新しい暗殺者と時空体の交錯。人間性とそうでないものたちとの戦い?
ハイペリオンの没落』とおそらくある意味で対であろうとすれば、続巻の『エンディミオンの覚醒』で、それなりのオチが付くのかつかないのか。オチが付かない、というのべつにSFではありがちなのでそれはそれでいいのではあるがなんかちょっと気味の悪い状態になってきたなぁ。



中世ヨーロッパの生活 (文庫クセジュ (590))

中世ヨーロッパの生活 (文庫クセジュ (590))

良くも悪くも「一般書」。中心の時代は13〜14世紀。特に都市と、行政機関が圧倒的に初期と違う、それに翻って農村や一般の人々の生活や慣習は初期とはそれほど違うように見える世界。初期中世とはある意味別世界だがそれでも中世という括りで括ってもかまわないかな、と思ったりもする。
中世には興味はあるけどなんか暗黒そうとかふぁんたじ〜と思っている人にはいい本かもしれない。上手にまとめられている。
自分としてはっきりとよく分かったのは「税」という言葉かな。そうかな、とは思っていたが完全に。「税」というのは現在の税とは全くの別物だ。罰金も含まれるし、上位者が従属者に対していろいろと理由を付けては集める財産の一部、ということか。