土偶展

マイミクのスーさんに付き合ってもらって行ってきた。
上野の東京国立博物館
平日のお昼過ぎに行ったのになんだかやけに混んでいる。
土偶好きは結構いるのね、と思って喜んだりはしない。
混んでるのはやだ。


国宝は3点。土偶で国宝になってるのはこれだけで、
一堂に会するのは初めてらしい。すばらしい機会だ。
ちなみに土偶だけではなく、土製器がいろいろ。
いわゆる土器から面、動物の土製器も。
縄文中期(紀元前2000〜1000年頃)のものが質的に最も充実していた。
縄文時代は世界的に現在よりも温暖な時代であったが、
紀元前850年頃から寒冷化しているようなので、
文化的(社会的には、ではなく。「芸術性」という意味において)には劣化していったのかもしれない。


驚いたことが数点。
教科書に出てくるような遮光器土偶やハート型土偶は、重要文化財であって国宝ではなかったこと。
遮光器は英語ではgoggle(ゴーグル)であること。
雪の反射をさえぎる遮光器が青森で出土したらしいが、
「ゴーグルである」というのは最も有力な説、ではないのか、歴史学的に。
知らないけれど、断言するのは歴史学的な姿勢としてはどうなのだろう。
ハート型土偶は個人蔵であったのは驚いた。どういう人がどういう経緯で…。
そして長野より西側に土偶が存在せず。フォッサマグナ?!
という問題はおいておくとしても縄文の文化圏がまっぷたつ(もっと別れるかもしれないが)
という現象が面白い。文化の伝播はしていたはずだが土偶に関してはしていない。
まあでもどきの文様とか形式だけで「時代」としてカテゴライズする時点で問題があるわけだが、
日本古代史って。まあヨーロッパにもあるけどね、ビーカー文化とか。考古学しかないからしょうがないんだが。


ウィーン自然史博物館でヴィレンドルフのヴィーナスを見たとき、
「ちっちゃっ!」という衝撃でもって眺めたものだが、
国宝も、上記二つも、想像よりも大きい。感動した。


土偶の口の造形は、基本的にぽかーんとした感じで、癒されたよ。


以前友人に遮光器土偶の小さな蔵をおみやげにもらっていたのだが、
今回の土偶展で仲間が増えました。


土製は良いものだ。