数学の歴史
- 作者: 加藤文元
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/06/01
- メディア: 新書
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基本的には西洋数学が中心であったことが少々残念ではあったが、ギリシャにおける数学の概念が「見る」ことが中心であり、「計算する」ことがメインではない、という話はおもしろかった。その原因が、神殿やら祭壇やら、街作りやら、つまり実際的な「設計」をもとに生まれたから、という話もそれなりの説得力を持つ。
そしてそれ以降の西洋数学はこの「見る」数学と「計算する」数学の二つの流れによって発展し、最終的に美しい形で統合された、という論の進め方。まさに、西洋人のものの考え方の一端としての数学の発展史、というものであった。
個人的にはもっと中国の情報が見たかったなぁ。半分ぐらいまでは出てきたが、近代以降は完全に西洋中心だった。しょうがないだろうけど。