ローマン・ブリテン

二日目にしてすでに餅に飽きた。しょうがないのでごはんを炊くことにした。父の好きなごはんを炊いてあげようと思ってお赤飯を炊くことにした。しばらくして気が付いたがこれも餅米なのでほとんど一緒やん・・・。



海のかなたのローマ帝国―古代ローマとブリテン島 (世界歴史選書)

海のかなたのローマ帝国―古代ローマとブリテン島 (世界歴史選書)

ローマ史研究の専門家が、ローマン・ブリテンという、帝国の辺境も辺境、海のかなた、北のはてを見て、ローマ帝国って何か、を問うたもの。もう少し詳細に言えば、「ローマ化(Romanized)」とはいったいどういう状況のことを言っているのか、というものを、イギリスのローマ史研究史を、それぞれの時代背景を語りつつ、その本質に迫る、という内容で、「ローマ帝国」の実態を探るものではなく、いかにその研究者たちが、それぞれの生きていた時代と、その政治社会的状況に影響を受けて、客観的と本人たちは思いつつも、遥に「主観的」に研究せざるを得ないか、という状況を語ったものと言える。
これは中世史にとっても当たり前なことで、21世紀に入ったとしても研究者はできるだけ客観的になろうと心がけつつ、それでも主観は入らざるを得ないことを認識しつつ研究しているわけで、イングランドにおけるローマ史研究はその極地ともいえ、よい題材となったと言えよう。
逆に言えば、ローマ以前のブリテンの研究をしている、スコットランド人やウェールズ人についても同様な一般書があるとおもしろいなぁ、と初期中世アイルランド史を学んでいる極東の研究者の卵としては考えてしまうものでもあった。
ケルト」概念についてもかなり細かく書かれていて、研究論文ではなく、概説書としてこれほど突っ込んで「ケルト」概念について書かれているものは、他にはないのではないかと思う。という点でもお勧め。
アイルランド国立博物館で、博物館員の女性に「アイルランドにはケルト人という人々が入植してきたという考古学的史料はない」と言われたことと、それを聞いて驚愕していたフランス人女性を思い出した。