読み過ぎ、もうダメだ

漫画とか読書に逃げてしまうのはきっと自分を客観視できていないからだ。フクダとは違うんです!

西洋骨董洋菓子店 3 (WINGS COMICS BUNKO)

西洋骨董洋菓子店 3 (WINGS COMICS BUNKO)

なんか自分は本当はケーキ好きなんじゃないだろうかと思ってきた。ので友人たちに「ケーキを食べに行こう!」と呼びかけ中。
初っぱなの話でバラバラに出てきた短めのエピソードすべてが、最後になってまとまって輪が閉じた、ように見せておいてほんのちょっとずれて閉じなかった、でもそれがリアリティ、というような終わり方。
よしながふみの漫画を全部読んだわけでもないし、わたしが今まで読んできた彼女の作品がすべてそうとも言えないが、おそらくこの人はお話の大きな枠組みを作るのがものすごく上手な人なんだと思う。その中に並べられた小さなお話のすべてがものすごくイイでき、というわけではないとしてもこの枠組みが非常に良くできているからすべて読み終わったあとにカタルシスを感じるんだと思う。舞台も登場人物もその世界もごく普通(ちょっとずれてる人もいるけど、というかそういう登場人物が多いけど)なのにもかかわらず。
だけどぜひとも大長編は書かないでほしい。大きな枠組みがわたしが感じるにものすごくすごい、と思う萩尾望都も、これも個人的感想だけれども中編で生きるものだと思うから。『大奥』は長すぎずに終わってくれることを祈る。


天顕祭 (New COMICS)

天顕祭 (New COMICS)

帯の煽りを読んで「諸星大二郎系?」と思った。読み始めてみるとヤマタノオロチとかクシナダ姫とか、なのにその夫になるはずのスサノオノミコトがいない。しかもどうやら核戦争後(なのか単に日本だけが爆撃されただけなのかその辺の説明は一切なし)の世界における、それでも人間って必死に生きるよね、そんな世界における人々の心のよりどころになる宗教(神仏習合過ぎ)と、実はその宗教の隠された意味と、みたいな「近未来民俗系」になるのか。
良く考えてみると戦争とその宗教のもともとの派生の関係性が直接的じゃなくて、話としてはその二つが分離しそうな危うさがあるし、絵もちょっと個性的、というか、ふで書きっぽい筆感とトーン使わないで墨の濃淡だけという部分で、判別しづらい絵も結構あったんだけども(黒田硫黄の『大日本天狗党絵詞』を思い出した。そしてそれよりは判別しやすかった) 、とりあえず勢いはあった。
ありがちなガジェットがたくさん、なんだが、その中で竹が浄化に役立っている、というのは新しくて独創的、と思った。
元は同人誌なのに文化庁メディア芸術祭奨励賞を受賞したもので、良く考えたらしばらく前にその話を新聞で読んでて、内容はおもしろそうだと思ったんだが何とも買いにくそうな感じだったので、タイトルから何からまったく頭に残っていなかったのに、思わず買ってしまった自分の嗅覚に軽く驚愕。


あー、明日から一泊で大阪。なんかたぶんものすごく暑いにちがいない。死ぬかも。