いろいろな意味ですごかった

忘却の船に流れは光 (ハヤカワ文庫JA)

忘却の船に流れは光 (ハヤカワ文庫JA)

かつて世界は悪魔に滅ぼされた。主は五階層の閉鎖都市を創造し、聖なる〈壁〉によって悪魔の侵入を食いとめたという。それから幾星霜、都市を統べる〈殿堂〉の聖職者ブルーは、悪魔崇拝者の摘発後、世界の真理を探究する修学者ヘーゲルに出会い、〈殿堂〉の厳格な支配に疑問を持つ。それは、神と悪魔をめぐりブルーを翻弄する、狂乱劇の始まりだった。やがてすべてが昇華する地平に真実が顕現する―――

良く考えるとここですでに「閉鎖都市」と書かれているんだな。
話の半ばぐらいで「この閉鎖都市の実態が分かったぞ、ふふん」と思っていたら最後20ページぐらいで予想外の設定が明らかになり、しかも最後の最後でものすごい、藤子F不二雄的〈多分〉帰結。えーそれって(以下ネタバレ)マッチポンプ??
最初から最後まで、イメージとしては佐藤史生だったんだけど、それは微妙にヨーロッパっぽい部分(聖職者とか悪魔崇拝者とか)なのに変に日本的なルビ(主、と書いて「すさのお」とか)と「閉鎖都市」そして近未来っぽいだからだと思う。
違うのは微に入り細を穿つようなエログロ描写。後半はもうこの想像力ってどうよ、と感心してしまったよ。
不勉強ながらちゃんと読んだこと無いのだが、「新曲」に影響を受けているらしい、話の中身ではなく細かなガゼットがね。タイトルもその中の一説らしい。ほー。
一番最後のあれは(以下軽くネタバレ)マモー(ルパンVS複製人間)じゃないすか・・・。