アイルランドで最も有名な伝説

The Tain: a New Translation of the Taain Bao Cauailnge (Penguin Classics)

The Tain: a New Translation of the Taain Bao Cauailnge (Penguin Classics)

一般にTáin(トーイン)と呼ばれる、Táin Bó Cúailnge(トーイン・ボー・クーアルンゲ)、英語ではThe Cattle Raid of Cooley、クーリーの牛争い、とか、ク(ー)アルンゲの牛捕り、と呼ばれる物語。英訳は本当はThomas Kinsellaによる翻訳が最も良いが、現在手に入りやすいのがCiaran Carson版。アイルランド最大の英雄、クー・フリンが主人公。ピロー・トークあり、ドルイドの予言あり、闘い・戦闘・一騎打ちあり、裏切りあり、そして悲劇的結末あり、のアイルランドらしいお話。残念ながら翻訳がない。なぜだろう? エッダ・サガにだって翻訳があるのに。クー・フリンって一部で有名、らしいんだが。
ケルトの神話―女神と英雄と妖精と (ちくま文庫)

ケルトの神話―女神と英雄と妖精と (ちくま文庫)

で内容はある程度読める。Kinsellaバージョンを参考にしてある。
アイルランドの大学で、古アイルランド語を学ぶ場合、文法が終わった時点で最初に読み出すのがこの話なので、ほとんど崩れのない古アイルランド語で残されていることから、これから英語を通さずに日本語に訳されるといいのに、と思っている。ちなみにそれについては以前に紹介した→http://d.hatena.ne.jp/kimuco/20070406/1175887676