ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄―1万3000年にわたる人類史の謎』上下巻
ずいぶん前に読んだので、記憶が定かではないのだが、なぜユーラシア大陸では数多くの文明が生まれ、広がり、歴史上先進的な地域になり、現在まで「勝ち組」でいられるのか、それに対してその他の地域、人類が最初に生まれたアフリカ大陸、北米・南米の西洋人が侵攻する以前、オーストラリア・ニュージーランドを含むオセアニア地域は発生した文明が地域的で、広がらず、それによって文化が低迷し、その影響が現在でも見られる状態となっているのはなぜか、ということをかなり論理的に説明した本。最初に結論を言ってしまってから、その後細々と例証を上げて(残念ながら注が一切なく、その例証がどこから取り上げられたものか分からない故に、一部極論過ぎるのではないか、あるいは間違っているのではないかと思われる箇所も見受けられるのだが)結論の補足をする、という展開も非常に分かり易い。始めに結論があるにもかかわらず、その後もアキさせないのはその膨大な知識による、知的好奇心をずいぶんと満足させてくれる内容であった。
簡単にいっちゃうと「ユーラシア大陸のみ東西に広がった大陸であったから」ということなんだがね。