女王ファナ

女王フアナ [DVD]

女王フアナ [DVD]


先週から新しいシェア・メイトになったカタラン人のスペイン人の女の子と一緒に観た。
主演女優はスペインでは有名だそうだが、確かに芯の強そうな美人の、狂女と呼ばれる女王を熱演。
女王の夫であるフィリップ端麗公(映画ではスペイン語読みのフェリペ)も男のフェロモン降りまくりのステキな(多分)スペイン男(なのであまり北ヨーロッパ人という雰囲気はないのだが)。ウットリ。


映画での「狂女」の解釈は夫への激しすぎると愛と欲望故、というもの。
精神が病んでしまうほどの愛情の激しさに「さすがスペイン女」という感想を持ってしまった。
が、内容は女たらしで押しつけがましい妻の愛に愛想を尽かす裏切り者の夫を愛し尽くす一人の女性の、
恋物語、と言っても良いのではないか。
急死する夫の枕元で何度も夫に許しを請われ、それでも「お願いだから死なないで」と物狂おしく振る舞うシーンに、
思わず涙してしまい、一緒に観ていたカタランの女の子に大笑いされた。


愛に生きることを強調する映画であるために「一体いつ統治してるんだろう?」とも思わされたが、
だからこそ夫が「カスティーリャ王」を「僭称」する場面で、
「あなたは単にカスティーリャ女王の夫に過ぎず、玉座に座る権利があるのはわたしのみ」と宣言するシーンは、
さすが誉れ高い(いろいろ問題もあったんだろうが)イサベル女王の娘、と感じられる圧巻のシーンであった。


また、衣装がとても豪華、おそらく当時と同じような生地で同じように作られたのでは、と思わせる。
特に母・イサベル女王死後、映画の中でも半分以上の時間、着られていた色の暗い喪服の数々のドレスが、
その色の暗さから生地の豪華さがうかがわれた。同様に色彩の押さえられた服を着た女官たちの衣装も素晴らしかった。
それに引き替え男性の服はやや派手でちょっと安っぽくさえ見えた。
カタラン人によれば「あの本物っぽい服は多分相当重いだろう」とのこと。そうだろうな。


いやぁ、美男・美女を眺められる映画としても目の保養になりました。