ケスラー・シンドローム

中国の衛星破片、軌道にびっしり…人工衛星などに脅威


 中国の弾道ミサイルによる衛星破壊実験で発生した約10センチ以上の破片(デブリ)が地球の上空を大量に取り巻き、国際宇宙ステーション(ISS)や人工衛星が危険な状態にさらされていることが米民間分析機関によるコンピューター画像の分析で明らかになった。

 雲のような無数のデブリが北極から南極の上空を通る軌道をびっしりと埋めており、赤道に対して約50度傾いて地球を回るISSが、南半球の上空でデブリ帯を通過することがわかった。計算に基づく具体的な衝突の危険性が示されたのは初めてで、分析を担当した科学者は「脅威である」との見方を示している。

 分析したのは世界の宇宙機関や軍事専門家らに衛星解析データを提供する「CSSI」のトーマス・ケルソ博士。北米航空宇宙防衛司令部が正確に把握した大きさ10センチ以上と見られる517個のデブリの軌道データなどをもとに、日本時間先月12日の破壊から14時間の動きを追跡した。

 破壊された衛星は高度約850キロにあったが、デブリの一部は破壊の衝撃で軌道を外れ、高度200〜3500キロの範囲にまで散らばった。追跡できていない10センチより小さなデブリは、さらに数千個はあると見られている。

 この領域は稼働中の衛星が多く、宇宙飛行士が滞在するISSも周回している。デブリは秒速6〜8キロの高速で地球を回り、衝突すると大事故につながる可能性がある。特に船外活動中の宇宙飛行士への危険が大きい。現在、個々のデブリはISSから数キロ離れているが、計算では、米軍事衛星に約60メートルまで近づくとの結果もでた。ISSでは、今年12月〜来年1月に打ち上げ見通しのスペースシャトルエンデバー」に搭乗する日本の土井隆雄宇宙飛行士が実験棟「きぼう」の一部を取り付ける船外活動を行う予定で、影響が懸念される。
(2007年2月1日13時25分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070201it06.htm

ますますケスラー・シンドローム化してる・・・。漫画『プラネテス』だと、これをおこすのは「宇宙解放戦線」とか何とかいうテロ集団なんだが、現実は仮にも常任理事国である一国家か。非常にあり得ると想像できる近未来SF佳作の漫画の中の、悪いところだけが現実に近づいちゃっているとは・・・。もうこの先宇宙に行ける方法は、SFを読む、ぐらいになってしまうのだろうか。
そういえばこれはデブリではないけれど、何らかの精神作用かなんかのために地球人は地球から飛び立てない、ということを発表し、人類を失意のどん底に陥れて絶滅を図る宇宙人、という話が、水樹和佳子(旧・水樹和佳)の漫画にあったな。
「歴史心理学」ではこのあたりも予想可能なんだろうか?

プラネテス(1) (モーニング KC)

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樹魔・伝説 (ハヤカワ文庫 JA (656))

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