Kay, Guy Gavriel. The Darkest Road (The Fionavar Tapestry: Book 3)

The Darkest Road (Fionavar Tapestry)

The Darkest Road (Fionavar Tapestry)


第2部から4ヶ月近くかかっての読了。暗い、暗すぎるよ。
本作では具体的な「光対闇」の展開、つまり本格的な戦争に突入。結局のところ光が勝つのだが、かなり苦い終わり方。この別世界に「招待」され、それが偶然ではなくこの世界の闘いに巻き込まれていったトロント大の学生5人、そのうちの一人は前巻で死亡、最終的に元の世界に帰還するのは二人となってしまった。うーん、そうなると元の世界の家族とか親戚はどう受け止めるのだろうか? 『十二国記』みたく「神隠し」ということになっちゃうのだろうか? 世界設定は特徴的だが、話の展開としては『指輪』を踏襲、といったところ。思わぬ人物が死んでしまったり、第1部で闇のラスボスに拉致され、レイプされ、子供まで産まされた(子供を産んだのはしかし本人の意志なのだが)5人のうち1人が、本作では全作より更に、私にとってはイヤな女に変身。多分、私には「愛(しかも異性に対する)に生きる、愛が生きていく上で最も大切」的女性がまったく理解できないからなんだろうな。中盤で自らの子供に対して冷酷に振る舞って、よりいっそう読む気力を削がれた。結局それが最終的に闇に勝つ原因とはなるものの、母の愛を求めて、求めて、拒否され、それでも母から去りながらも母の愛を求めて、自らの死を選んだ子供の結末の、悲しいこと。
その子供の振るまい、結末を理解したのは母でない、母の友人たちで、母は最後には最愛の人共に違う世界に旅立つ、と。ジェニファーという名前で登場し、最終巻では完全にギネヴィアになっていた。


よく分からん。ともかく数年間のモヤモヤは晴れた(変な晴れ方だが)。読後感はかなりよくなかった。