歴史的トンデモ
『ダ・ヴィンチ・コード』、これ関係で留学前から所謂「トンデモ」的な反応が多数見受けられたが、映画公開に伴い、再び盛況になった様で。この方のブログから。
たいていは、「あっはっはっは」と大笑いするか、「ふっ」と生暖かい笑みを浮かべるかで過ごせるんだが、なぜかネタが中世とか、特に中世のキリスト教会とかと絡むと(この本だと絡まざるを得ないんだが)なんだかマジレスしそうになってしまう大人気ない自分がいる。で、この傾向は『ダ・ヴィンチ・コード』だけにとどまらず、たとえば「アイルランドのケルト文化はあとから来たキリスト教会に『弾圧・抑圧』され、一部の地域で細々と伝えられ、それが今蘇っているのだ・アイルランド西部に見られるのだ」とか言われると、
などと突っ込んでしまいたくなる。故に『ダ・ヴィンチ・コード』にしたってテレビの「検証」番組などで、「グレゴリウス1世によって、マグダラのマリア信仰の禁止令が発布された」*2などと言われると、「おーい、グレゴリウス1世の時代にマグダラのマリア信仰があったとして、どの辺によ? 南仏の超一部なんじゃないのー? マルセイユとかさー、っつうか、グレゴリウス1世の勅書ならバチカンに残ってるじゃろう、それを見せろー」などと一人テレビに向かって批判の矢を浴びせかけ、疲れ切って観るのを止めてしまうとか。
それで思う、なんでこう、いちいちくだらないことに(というのは失礼か。要はイメージとかで語っていて、別にそれに「研究者としての命」とかを書けていない様な戯言)マジメに反応してしまうのか、自分?
原因は次の中のどれか。
- 真実を伝えなければならない、という正義感(ぷっ
- 欲求不満でイライラしてるから
- 全然勉強が進まず心の余裕がないから
- カルシウム不足(最近寝る前のヨーグルト習慣を止めてしまっている)
- 実はクビの裏側にある(という噂の)サカサウロコ君が普通の人より多いから
正解
6, 自分の若さ故の過ちを許し難いから・・・
つまり、かつては私もロスチャイルドとかフリーメーソンとか読んで、「ユダヤ人の陰謀が*3」とか思っちゃったり、「幻の民・ケルト人、ロマンだわ」とか思っちゃったりしたことがあったのだよ、告白しちゃうと。ユダヤ陰謀説はかなり早い時期(高校時代)に解脱できたのだが、「ケルト人」系はかなり後まで引いたのだ。でも一言だけ言い訳(誰にだ?)させてもらうと、当時はまだインターネットなんて超一部の人たちのものだったし(ワープロが出たてのころだよー、私のワープロ初号機なんてデスクトップ型のでかいモニターみたいな大きさだったし、画面は黒くて白というか薄い黄色い字が「たたた」って表示されてたころなんだよー)、「ケルト」と名の付く本は数冊敷かなく、しかもネタはみんな一緒、そしてNHKでBBCの「幻の民・ケルト人」が放送されたころ、という時代だったので、情報収集なんて英語が読めなきゃ出来ないころだったのであったのだよ、許せ、自分。
まー、自分でも陥ったところなので、本来なら軽く流せなきゃいけないんだけれど、流せない部分があるというか。この辺の折り合いの付け方が、未だに分からないのが不甲斐ないというか。
キリスト教会と西洋文化・歴史は、扱い方が難しいものだ。日本人としてはキリスト教にすでに変な思いこみがあるし(クリスチャンは立派な人格者に違いない! とか)、私は中高大学、最初の修士課程と系12年間プロテスタントにどっぷりの教育環境だったし。
ともかくなんにでも、余裕を持って向かい合いたいですわね。