Meet Joe Black


見てしまった。人間に憑依して、もうすぐ自らが死地を連れ去る大会社の社長のもとで、二日間(ぐらい)人間の世界を体験する「死に神(Death)」の話。
脚本がヘボ。なんで社長の娘がこの死に神が好きになるのかが全然分からない。気がつくといきなり好きになってる。死に神の方は好奇心いっぱいなので、その辺は描かれてなくても別にかまわないのだが、3時間近くある映画で、なぜに恋愛が苦手の女性がこの、未知の世界でぽかーんと口を開けて、きょどってる男を好きになるのか全然分からなかったぞ。
その上、最後に死に神が娘の父である社長を連れて行ってしまったあと、憑依されていて(明らかに死んだっぽかったのだが)いた男(娘と一度会ったことあり)が蘇って代わりに登場、しかも娘の方は中味が変わっていることを認識しているにもかかわらずなぜか二人がいいムード、という終わり方には、こっちがぼかーんとさせられた。
ブラッド・ピットアンソニー・ホプキンス、二人主演でこれですか、と。
で、ベッドシーンで気がついたのだが、この間ほとんど主演のブラッド・ピット(=死に神)のアップばっかり。というわけで、「未知の世界で、堂々としており口も達者な死に神が、新しい世界に興味いっぱいできょどっている、という演技をするブラッド・ピットを、『きゃー、かわいい(ハアト)』と母性本能くすぐられながら鑑賞する映画」という訳なのだな。確かにギャップ好きにはたまらない、口をぽかーんと開けたブラッド・ピット満載。
個人的には、こういう「知らない世界にきょどる」といえば、『ヒドゥン』のカイル・マクラクランの方が好きだ。しかもこっちはちょっと悲しい終わり方で、脚本も演出もなかなかよろしい。あるいは、口をぽかーんだったら『スター・ゲイト』のジェイムス・スペイダーの方が何倍も母性本能くすぐられるんだが、などと思った。まあ、結局好みの問題であるな。
友人から借りたDVDなのでいいが、自分で金払って見る気にはならなかった。


ヒドゥン ENTERTAINMENT COLLECTION SILVER [DVD]

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スター・ゲイト〈dts版〉 [DVD]

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