されど罪人は竜と踊る 2巻 

されど罪人は竜と踊る 2 ~Ash to Wish~ (ガガガ文庫)

されど罪人は竜と踊る 2 ~Ash to Wish~ (ガガガ文庫)

相変わらずなかの悪い二人の、日常におけるのと同じように戦闘中にも交わす相手へのひどい言葉(それでもあまりの美貌にほとんどすべての女性が惚れてしまうギギナの美しさを心の中で描写してしまうことは忘れない)と相反するような息の合った戦いぶり。今回はさらに商売敵たちとも手を組んで、切り込んでいく前衛のギギナの(本人は気がついていないという設定ではあるが)献身的な戦闘と、良い意味で腹黒で卑劣で主人公チートを合わせた後衛のガユスの頭脳プレイと何もかも持って行ってしまう最強(本文中では「禁忌」)の術×2。
敵の正体が実はアレ、というのには途中で気がついてしまったのが残念。
世界観やら主人公たちやらの中二病的設定は置いておいても、相変わらず言葉が多すぎではあるが政治的背景は好み。社会的地位は底辺に近い政治的には全くの無力の二人、対、国家の最高権力の一翼を担いその勢力の大きさとそれに伴う社会的責任と国家のために無慈悲となるも厭わない人物との、主人公たちが感じる敗北感に似た感覚は共感ができてしまう、そういう背景が華麗なる中二病舞台の背景にあるところがよい。


で、赤い指輪がどういう状況で渡されたのか忘れてしまったので、1巻を読み直すという状況。三回目だよ、アホだな。

されど罪人は竜と踊る 1 ~Dances with the Dragons~ (ガガガ文庫)

されど罪人は竜と踊る 1 ~Dances with the Dragons~ (ガガガ文庫)