Gene Mapper、丕緒の鳥

某所で書かれていたように本当に主人公が驚いてばかりだった。
最初に謎が提示されて、なんだか妖しげな登場人物が数人出てきて、謎が謎だけに何が原因か、というのが気になって一気に読み進めた、リーダビリティのある小説。ただ、原因がイマイチだったことと、フラグがフラグのまんまだったこと(内部の情報源)が拍子抜けだったかな、黒川さんの設定はとても面白かっただけにちょっと残念。
パリのノートルダム大聖堂はゴシック、ということだけは言っておきたい、一応西洋中世史に関わっているものとしては。


もともと内省の多い作者なんだろうけど、短編の内省の多さは半端ないな。個人的には長編が読みたい。内省は多いが話はちゃんと進むから。長編は出ないだろうけど。とりあえず、寒い、ひもじい、辛い、哀しい、という世界なんだろうけど、イマイチそれを感じられないのも内省の多さのせいだろうな、という気がする。直截な感情が見えないから。