南北朝の動乱、孤狼と月、中世修道院の世界
謹賀新年。
まだ冬期講習が終わらない。今日で終わりだが。
- 作者: 佐藤進一
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2005/01/01
- メディア: 文庫
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南北朝といえば一癖も二癖もあり、しかも清廉潔白とか器が大きいとかそんなご立派ではない黒かったり逆にバカ正直すぎたりする登場人物がわんさか出てくる楽しい時代だが、主人公の一人である足利尊氏のみキャラがまったく分からない。人間とは思えないぐらい内側がのぞき込めない。まだこき下ろされていた嫡男の義詮や、弟の直義の養子になった哀れな直冬のほうが断然良く分かる。そのために、なぜ弟と最終的には殺し合いをしなければならなかったのか(譜代の家来高師直一族殺してまでして一度は和睦をしたのに)、さっぱり分からなかった。そして幕府開闢をなした政治家としてもさっぱり。政治家ではなくあくまでも武将であり源氏の棟梁である将軍、というのであればまたその武将としての性格もまったく皆目検討つかず。不気味な存在だ。それでもビジュアルとしては大河の影響でずっと真田広之であったが。
護良親王、北畠顕家、足利直義が、このほんでは三代悲劇の人物であることがよく分かるその最後の描写。享年が書いてあったがその死に様がほとんど書かれていなかった義詮とか、背中にできものができて死にましたよ尊氏、以外はほとんど死に方は書いてないのだよね、楠木正成すら。
結局、武士という存在とは、とか、源氏の棟梁とは、とか、それを言うならば清和源氏とは、から桓武平氏とは、まだ行ってしまい、ブームに乗って清盛関係の本が楽しそうになってしまっている。本当はその前あたりの、職能民としての武士の誕生とその後の北面の武士=天皇直属の職能民(網野の影響ダダ漏れ)、的なあたりから読みたいのだが。
- 作者: 高里椎奈
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/05/14
- メディア: 文庫
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王国の王女でありながら、人間のようでありながら獣の知能ぐらいしか持っていないグールの軍団を率いる13歳の少女。実は誰もが嫌悪する役割であることを知らず、素直に国のため、愛する元帥である兄のためであると信じていた少女の、真実を知ってからのその身の転落、国からの追放、そして知った衝撃の真実、そこからの旅立ち、が一気に書かれているので1日かからず読んでしまった。
続きを読まなければ。最近読み終わるとすぐ内容を忘れてしまうのでできるだけすぐ読まなければ。ああ、でも読み直さなくてはならない本もあるのに、というかそもそも本読んでてよいわけじゃないのに。バイトが辛いからしょうがない、と自己弁明と正当化。
- 作者: M.‐H.ヴィケール,Marie‐Humbert Vicaire,朝倉文市,渡辺隆司,梅津教孝
- 出版社/メーカー: 八坂書房
- 発売日: 2004/09/01
- メディア: 単行本
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