戦争する脳

戦争する脳―破局への病理 (平凡社新書)

戦争する脳―破局への病理 (平凡社新書)

人間、みたくないものはみないという心理が働くが、その状態のまま戦争を起こし、机上の空論で勝利の方程式を編み出したのが湾岸戦争時のブッシュ政権(とくにラムズフェルド)であり、その心理状態は日中戦争(とくに上海事変以降)に突入した日本軍と一緒、という話と、実際に戦う兵士には肉体があってその部分をみることを拒否する中枢と現実に戦場にいる兵士との乖離、そして戦場の兵士の心理的負担とそれに対する精神科医の働きかけ、第1次世界大戦から第2次世界大戦、そして湾岸へとの紆余曲折、という大まかにいうと二部構成。作者は精神科医
湾岸戦役とかつての日本の戦争両者をこき下ろしている点ではものすごく面白いのだが、話し言葉をそのまま書き下ろしたのか作者の語り口調なのかは分からないが、読みづらい文が多発。変なところで体言止めとか(だからよく分からない)、興に乗ってしまった口調とか、主部と述部が繋がっていない文とか。編集はもう少し読みやすいように手を加えるってことはできなかったのか非常に残念。内容が面白かっただけに所々で文章のせいで止められるのは不愉快。


読んでいて気になった本は以下。

新戦争論―グローバル時代の組織的暴力

新戦争論―グローバル時代の組織的暴力