WOMBS/1・2、娘に非ず/1、イムリ/9

単行本の発売時期の間が長い漫画は辛いよの巻。



WOMBS 1 (IKKI COMIX)

WOMBS 1 (IKKI COMIX)

WOMBS 2 (IKKI COMIX)

WOMBS 2 (IKKI COMIX)

ある惑星に宇宙を迷子になりながら移民した人たちと、その間に2百年経過した地球から正規に移民してきた人たちとの、移民惑星をめぐる戦争が数十年続く星で、唯一残った最初の移民たちの国においての特殊部隊的働きをする、妊婦部隊。異常な設定は妊婦が戦闘を行う、というところ。大きなお腹を抱えた戦士たちが、かつて兵器として使われていた歴史を変革させ、兵士としてプライドをもって総力戦に参加する。
彼女たちのお腹にいるのは、移民惑星の生物の培養されたある器官。その生き物には妊娠したメスだけがある種のテレポート能力を持つという特性があり、人間がそれを利用している、というもの。兵士は望めば何度も「移植=妊娠」する。育てたものはある程度大きくなると「中断=中絶」するシステムだから。
神聖なる母性か、戦う女性の誇りか、そもそも土地は誰のものか、テーマは壮大だが、物量、文化的背景を見ても、勝てそうに見えないのだよ。敵は民間人の大量虐殺も厭わないのだから。
次巻はほぼ一年後。



魔法使いの娘ニ非ズ (1) (ウィングス・コミックス)

魔法使いの娘ニ非ズ (1) (ウィングス・コミックス)

魔法使いの娘』の萌えたぎった最終2ページの続編。完全にホラー漫画と化してきた。主人公の「若いくせに所帯じみた女子」と、その元奴隷、もとい、養父の弟子ふたりが「住所不定、職業陰陽師」となってしまって、仲良く基本的には弟子の依巫能力を使ってちまちまと仕事をこなしている一話完結もの。とりあえずは。前作の初期のころに戻った感じ。
ふたりの距離感が個人的にはちょうど良い。ラブラブにもなっていないながらも、男の方はずいぶん喜んで主人公の手伝いしてしかもかなり心を配っているようだし、主人公はいまでも物事をはっきり口にするし男の方に辛口だけれどずいぶん気を使っている感じ。
後は今後のパパの動向だなぁ、展開が動くとしたら。パパは真人間になれるんだろうか。
人形師がものすごく変な設定で驚いた。
次巻は良くて一年後。



イムリ 9 (ビームコミックス)

イムリ 9 (ビームコミックス)

望んではいないがどうがんばっても戦う方向に向かってしまっているのはデュルクにとっては耐えられないだろうけれど、母親の見た夢ではその運命はあらがえない、と読者には分かる進展。
ミューバは知らず自分のおかれた実は悲劇的な状況に、喜々として本来の同胞を巻き込みはじめた。彼が促迫彩輪を得た、ということは母親の最後の夢を見られる可能性ができたということなのか、それとも結局利用されるだけなのか。現状では間違いなく後者。
「伝説のイムリ」の意味がまるで逆の意味で双方に伝わっているが、おそらくカーマ側のは彼らに有利に意味を歪曲させたものにちがいない、イムリ側のは夢見のイムリが見た本物なのだから。
武器はいつ全部その身に付けられるのか、ゴンガロとなったイムリは助けられないのか(デュルクの足が治らなければ多分助けられない)、ドープはあれで終了なのか、マージで四千年眠らされている戦いのイムリはどうなるのか、そもそも連載最後までいけるのか、とかいろいろ心配。
次巻は半年以上先。