金色夜叉
- 作者: 尾崎紅葉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1969/11/12
- メディア: 文庫
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明治どころかおそらく高度経済成長期以前の女性だったら宮に感情移入できたのだろう。でもオイルショック以後に生まれた世代、男女雇用機会均等法のちょっと下の人間としては、甚だ我慢のならない女だ。完全に貫一に感情移入してしまったし、まだ尾崎紅葉もおそらく貫一の内面を描写することに重きを置いて、宮の感情にはほとんど入り込んでいなかったように思える。
激情は、読点を多用した文語調で迫られるとこちらも非常に煽られる、ということを知った。
ちなみに、宮が「殺して欲しい」と迫った時に貫一が激して「自分で死ね」と言ったところで笑ってしまった。昼メロを喜劇としてみてしまう状態ってこれだわ、と思った。
ああ、熱海行きたい。