山海経

山海経 (平凡社ライブラリー)

山海経 (平凡社ライブラリー)

「○(←東西南北中、が入る)山経」の5章は空間の拡がりが分からない状態で、延々と山が続きそこに住む実在する動植物を含めたキメラ的な動物と漢方的な解説を受ける植物と、その山が産する玉の種類やら金属類やら、そしてそれぞれの山系の神とその神への崇拝の仕方が偏執狂的に羅列されていた。
その後の「海外○経」「海内○経」「大荒○経」はさまざまな国とそこに住む人と神様と所々に神話があってこちらはかなり楽しかった。蓬莱の国日本もちらっと出てきたし、太陽が十ある話も何度も出てきたし。そして三皇五帝が神話的人物であったり、夏の王たちも神話的人物像になっていたり、(後から組み入れられたらしいが)殷の湯王も神様になっていた。西王母も出てきたし、いくつか神話的動物の名前が「十二国記」の妖魔の元ネタであった。


地図と絵付き(変な動物や人種のイラストは付いていたが)で読みたい。中国の神話ってちょっと変でいいわ。最後の水木しげるの解説もよかった。