造物主の掟

術後の経過は良し、ということで次回の検診は3週間後。


亡くなったのを知ったのは手術の前の日あたりの朝刊。最終的にはアイルランドにご自宅があったようで、なんだよー、留学中に近くにいたのかよー、とまた思った。「ガニメアン」シリーズ(そういう名前のシリーズとは今知った)はかなり好ましかったのだが、これはいまいちだったなぁ、という思い。ハッピーエンド(一応それなりなハードSFにこういう用語はアリなのかどうかは分からないが)になるのはホーガンにつき分かってはいたのだが、分かり易すぎる政治闘争というか、幼稚な権謀術数が微妙なところだ。
ただの交錯ロボットが百万年かかって進化し、意志を持ち、西洋の中世的世界観を構築するほどの知能を持つようになっている、というところは非常に面白かったし、彼らの世界における生き物(植物や動物)がすべて機械系で、彼らにとっての無機物が地球における有機物(家は育てる)である、というあべこべの世界観も良く考えてあるし、主人公がある種の哲学を持った稀代の詐欺師であるという人物造形も良かった。彼ら絵によって付けられたタイタンの機械人たちのあだ名も(ヘンリー以外は。これって8世のことなのか、これだけがよく分からない)分かり易すぎるぐらいで悪くはなかったが、地球人側の対応がなぁ。
ある意味、地球側の法が進んだ文化を持った形での「ファーストコンタクト」ものといえる。その部分ではテンション上がったんだけど、それ以上の盛り上がりに欠けてちょっと残念。