竜と竪琴師

五月病かも。読書(しかも小説)が異常に楽しい。

竜と竪琴師―パーンの竜騎士〈10〉 (ハヤカワ文庫SF)

竜と竪琴師―パーンの竜騎士〈10〉 (ハヤカワ文庫SF)

やっと読んだ、パーンの竜騎士シリーズの(私にとっては)最新巻。マキャフリーが現在ウィックロウにすんでいるとは思わなかった。留学中にはすでに移住してたってことじゃん、ちっ。
パーンシリーズにおける、保守的で頑固で、それでいて新しいものも受け入れる好奇心旺盛な知識階級のトップ、パーンの良心ロビントンの子ども時代からのお話。シリーズの初めのころはマキャフリー的SF「ハーレクイン」もの、その後外伝も含めてジュブナイル系になり、そして最新巻は父と子の母を間に挟んだ確執、成長、人生に突然訪れる悲哀、父との完全ではないけれども関係性のできる限りの修復、という、作者の年齢に沿って進んでいくシリーズであったことがよく分かる。そして最後の、1巻(思わず読み返してしまった)の『竜の戦士』の始めに見事に着地していたので、ひょっとしてシリーズ終了かな、とも思わせる終わり方だった。
しかし、このシリーズを読むたびにSFとファンタジーの境界が見えなくなるというか、SFはファンタジーの一形態なんだな、と思わせる。ル・グインでも感じるけれど、こっちの方がファンタジー色強いもの、竜に乗って戦うんだし。



今年は「ツイン・ピークス20周年」だと? ローラ、ローラ、ローラ、と鳴く九官鳥が好きだった気がするが、ローラじゃなかったかも。