新・現代歴史学の名著

新・現代歴史学の名著―普遍から多様へ (中公新書)

新・現代歴史学の名著―普遍から多様へ (中公新書)

完全に現実逃避しまくるゴールデンウィークイカン。このままではイカン。


編者が樺山紘一なので、というわけではないだろうが西洋史に関する著作が多い印象。
タイトルゆえに名著の紹介、と思われるが一冊読み終わっての感想としては名著を下敷きにして、それぞれの著者である世界的にいろいろな意味で影響を(日本国内のみ、ということもあるが)与えた歴史学者にとっての、歴史とは、彼の生きた時代背景とその影響下での立ち位置とは、新しい方向に向かいつつある歴史学とは、という、ある意味思想史的な読み方ができる本であった。
それぞれを担当した著者たちの、名著の著者への「愛」というといいすぎだがその「思い」があからさまなものから、筆致からなんとなく感じ取れるまで幅が広いが、個人的にはあまりその部分は出して欲しくなかった。自分が留学していたときにあったとかそういうことに関してはね、思い入れが深いのはよく分かるけれども。
こういう本を読んでつくづく感じてしまうのは、自分の専門分野から遠いものへの関心が否が応でもでてきてしまう自分だ。ニーダムの『中国の科学と文明』とか、ゲイの『ワイマール文化』とか、網野善彦の『無縁・公界・楽』とか、めどう゛ぇージェフの『1917年のロシア革命』が個人的に面白そうかな、と思った。
ああ、すでに本が崩壊し始めたのは自分の本の扱いに愛がないからだな。