日本語がうまく通じない

この際書いてしまおう。バイト先で教えている子どもたちに日本語が通じないことが時々ある。ことわざが通じないことはざらだが、自分がことわざを常識ある程度に知っている理由は中学受験時代に押し込まれたからで、地元の公立中に行き、がんばって地元の公立高校に行った子どもたちに今更ことわざを知らないからと言って責めるのは酷というものかもしれない。しかしそういう問題は時々英語で出る(特にある程度以下の大学受験問題だと時々見かける)。その場合どこまでフォローすればいいのか分からない。本をまったく読まないわけではないようだが、ことわざが出てくるような本は読まないのかもしれない。あるいは出てきても辞書を引いて確認しないのかもしれない。電子辞書などという便利なものがあるのに、生徒によっては使い方をよく知らない場合も多々ある(私が携帯の機能を使い切らないのと同じだといわれればぐうの音も出ないが)。漢文の授業でせめて中国から来たことわざ(漁夫の利とか)の文を教えてくれると良いのだが。四書五経とかだったら結構出てこないのだろうか。それは良いとして先日問題は読めているのに一つの問題ができていない生徒がいて、何が分からないか聞いたところ「はく」が分からないという。問題を見たらある単語の解説に「はくがつく、威厳」と書いてあった。威厳にすると日本語がまったくおかしい答えとなってしまうので、はくがつく、という答え以外ないのだが、「はくがつく」の意味が分からなければ答えがうまく書けないわけで、どうしようかと思った。しかも自分はうまく説明ができないので電子辞書で引かせた。しかし「はくがつく」では引けず、しかも問題は「はく」とひらがなで書いてあるので漢字から引いてくることもできない。結局私が引いて見せたわけだが、この先授業をする時できるだけ難しくない言葉を使って説明しなければ、相手には全部通じていないのかも、と思うと気が重くなった。生徒は小学生でもなく中学生でもなく、高校生なんだが。
多分「これだと本文の意図と乖離してしまうから」とか、「W大学の英語の問題は英語としては玉石混淆だから」といってはいけないんだろうな。便利な言葉なのに。そのうち「必ずしも〜というわけではない」が通じなくなったりしそうで、その場合部分否定はどうやって教えればいいのだろうか。少なくとも現状では「〜のみならず〜も」というのが通じなくてnot only but alsoの訳は違うものを覚えなければいけない、としばし戸惑ったことがあった。