小さいものが無数に群れる

深海のYrr 〈上〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)

深海のYrr 〈上〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)

根拠もなく「海洋ハードSF」だと思って読み始めた。中盤で物語がいきなり激しく動き出す。そこで「海洋パニックホラー」な様な気がし始めてきて読了。数百万のクラゲ(しかも猛毒)の群れとか、海底をびっしり覆うピンク色のゴカイとか、タンカーの底に2メートル近くの厚さにひしめく貝とか、ロブスターからしみ出す透明の液→爆発ドロドロびっちゃりとか、船と人間を襲いまくるクジラとイルカとか、怖いよ。
原題を見るとそれらしいタイトルであることが判明。ひょっとしたらダブルミーニング。熱狂するもの、あるいはうじゃうじゃした群れ。このタイトルでは売りようもなかったからの邦題なんだろうけど、これだと謎が深海にあることがこの時点で予想されてしまうのが少々問題かな。でもこのタイトルじゃなかったら手に取らなかったかもしれないという側面もある。
とりあえず1巻目は話の始まりに過ぎず、何がどう起こっているのか未だ手探り状態なのであと2冊楽しめるぞ。



日本が捕鯨国ということで相当嫌われていることだけはよーーーーく分かった。