『中世世界とは何か』

中世世界とは何か (ヨーロッパの中世 1)

中世世界とは何か (ヨーロッパの中世 1)

遅ればせながらやっと読み終わりました。家でゆっくり読んでいるヒマがないのが残念。さっさと読み終わってしまうのももったいないという状態。
年代順に書いていないところが、入門書のその次、という位置で読む上ではよかった。ある程度はテーマ別。著者がちょっと筆を滑らしがちなところも見受けられたけれども、そういうところがあったから一般書として楽しく読めた。ただ、佐藤彰一なのだから中世後期まで行かなくても良いかなぁ、と思ったりもしたが、結びをみるとそこから現在の状況を結びつける、という立ち位置でのシリーズものの第1巻だとしょうがないのかも。禁欲の話の終わりが宗教改革の下地、という点だったし。
西洋中世史なんて流行らないし、それは現在とどういう関係があるの、単なる巨額で趣味の範囲じゃないか、という意見に対してのアンチテーゼとして提示するには言い終わり方だったし、これと関係あるのかも知れないけれど最近はなんだか「ネーション」と着くタイトルの中世がらみの本も多いし。
西洋中世って何? という人が読むには少し難解、ほんのちょっとの知識が付いてる時点読むには楽しいかもしれない。中世史の研究してます、とある場所ではあんまり言えないぐらいの恥ずかしいほどの少ない知識しかない私でもかなり楽しめたので、一般書として読むのには適度なところでしょうか。
同じくもっとはっきりとしたテーマ別の中世初期史関係では(まだ読んでないけど、というか全部読む必要があるのかないのか)これもよいかも。円高につき買ってしまいました。
The Early Middle Ages: Europe 400-1000 (Short Oxford History of Europe)

The Early Middle Ages: Europe 400-1000 (Short Oxford History of Europe)