二重構造

香乱記〈3〉 (新潮文庫)

香乱記〈3〉 (新潮文庫)

時代的にしょうがないんだろうが、主役がでているところの話はちっちゃく(自分の国、斉)、項羽の話がでかく(中国河北を制圧→咸陽へ→秦滅亡)て、誰が主役で何の話か分からなくなってくる・・・。この作者の話は脚光浴びる人物が結構多いことが多いが、今回はまた異常にぶれるなぁ。
宮城谷の、主人公が春秋戦国、あるいはそれ以前の殷とか周の時代での、「上に立つものは徳と仁に篤い者が当然」という主人公たちの物語から考えると、時代は変わったんだなぁ、と思わせる、いいところがほとんどない項羽の扱いである。
しかし、次の最終巻でおそらく漢成立するんだろうが、斉はどうなるんだろうか?