せかちゅ〜

せかちゅ〜、あるいはエヴァンゲリオンテレビ版最終話のサブタイトルの、タイトル元ネタ。短編集。
久しぶりにSFを読んだ。しかも「SFと称しているが異世界もののファンタジーとしても充分いける!*1」でもなく、
「SFと書いてあるけどミステリーとしても充分いける!*2」ではなく、
完全SF。読み終わった時の、良い意味での読者おいてけぼり感が気持ちいい。
なんだかずいぶんと詩的。それでいて少し感覚器官のずれを感じる。
作者は否定しているが、LSDをやったことのある人が語っていた感覚、のような感じ。
視覚が聴覚となり、嗅覚が味覚となり、触覚が視覚となる、みたいな座りの悪い感じ。なのにものすごく詩的。
最後の話がよかった。男(少年)はやっぱり女より犬よね、犬との友情の方が大きいよね。スパイなサンタさんもよかった。
表題作は、けものというより分かりすぎてしまった哲学者、という感じか。
宇宙の全ての存在を愛する偉大なる裏切り者。そんな感じ。

*1:「パーンの竜騎士」シリーズの特に初期とか

*2:アシモフのロボットものとか