数年ぶりの新作

yom yom (ヨムヨム) 2008年 03月号 [雑誌]

yom yom (ヨムヨム) 2008年 03月号 [雑誌]

小野不由美十二国記」の新作、「丕緒(ひしょ)の鳥」掲載。番外編の短編で、陽子登極直前から登極直後まで。『華胥の幽夢』の短編のように伏線貼り(伏線回収の話もあったが)の話では全くなし。本編とはまったく関係なく、あってもなくてもよい、としかいえなくてかなりがっかり。オチも始めから見えていたし(第一作目のオチがまったく見えない展開がひょっとしたらピークかも)。作者は書く気があるような言動があるらしいが(Wikipediaの記述を信じていいならば)、情熱は薄れているんじゃないかと思う。
話の終結は考えてある、とどこかの後書きに書いてあった気がするが、このように放置しっぱなしだと終結しなくてもいい気がしてきた。「これ以上はかけない」宣言してくれた方が後腐れがない。今回の、短い餌を与えられて余計飢餓感が増す、状態はもうやめて欲しい、というのが一ファンの気持ち。これがいわゆる「ラノベ」、という認識になってしまう。漫画のように終わりは考えてあるのか考えてないのかとりあえず話が進み、キレイに結ばれることが少なく、場合によっては放置ぎれしてしまう読み物、という定義において。
未完でもこれ以上進むことはないと決定された小説の方がマシな気がしてきた。でもそれを知って格段に下がった『金色夜叉』の読書ペース・・・。